歌えない主役

 最初で最後のシラノ。F列なので、オペラいらず。ゆったり堪能したけれど、隣席の夫婦が携帯の電源を切らず、あまつさえ、演目中にメールを確認するわ、電話を鳴らすわで最低。マナーの守れない奴は劇場に来るな! あの劇場、遮断装置付いてるはずなのになぜ、とも思ったんだけどね……
 鹿賀さんのお声が非常に枯れており、聞き所どころか至る所で掠れるわ途切れるわ。その点非常に残念。お声が万全の時にもう一度みたい演目だなぁ。シラノは出ずっぱりかつ歌いまくるので大変だったのだと思うけれど、客としては、あれだけ枯れているお声では満足できないのです。もし再演があるのであれば、シラノをダブルにすることを考えるべきかも。
 ガスコン青年隊らアンサンブルの皆さんが素晴らしかった。中河内クリスチャンもそこまで聞き劣りしなかったように思う。ちゃんと、一つ一つの歌を大事にうたっていた。
 アフタートークで浦井くんに比べて短いと言われていたキス、今日の長さはどうだったのかが気になるところ。
 朝海さんのお声がやはり私の好きな音質ではないというのも再認識。
 『シラノ』は幾つか見たことがあるが、一番印象に残っているのは今は亡き緒方拳の一人芝居(白野弁十郎)だというのは変わらず。

 詳しい感想は、咀嚼した後で(そう言って書かない可能性も高いんだけどね)。